まいひーろー


「っつーことで、まず約決めていくんだけど…。
あーごめん、だれか二人黒板とノートの書記してくれない?」

と、太陽君は言うのだが、


「私ノート書記だったらしてもいいよー」

「おっ助かる!」

「誰か、黒板書記はー?」

黒板書記を名乗り出る子がいなくて。
これじゃ時間がなくなっていく。
クラスの雰囲気を少しでも悪くしたくなかった私は、無意識に手を挙げていた。


……それを、太陽くんはすぐに見つけて。

「えっなになに!?
蕾が黒板書記してくれるの!?」

「う、うん…汚い字でよければ……」

「いいよいいよ!!来て来て!」


こちらが戸惑うほどに、見事にわかりやすくテンションが上がった太陽くんに、目の前に立つという不安感で少しだけ足のあゆめるスピードが遅くなる。
…けれど、きらきらとした目で教卓の前で待つ太陽くんに、不安ながらも黒板に向かって行って。