コーヒーを飲みながら莉香に目をやると 長く伸ばした髪を耳にかける仕草や 俯いたときの目元など やっぱり真由子さんに似ているなと思う。 「閉ざした意識のなかでも、記憶って残ってるのかな?もしそうなら残酷な優しさだよね」 莉香の突拍子のない発言で俺の思考は飛ばされてしまった。 とりあえず適当に“そーだな”と相槌をうったら莉香はそれで満足したみたいだった。