作業の段階でなんとか会話だけでも自然に進めようとするが、会話のきっかけすら見つからない。

「道具、借りに行ってくる」

蓮はオレにそれだけ告げると、先を行ってしまう。

おいていかれないように、蓮の横を歩く。

「お前のクラスは何やるか決まったか?オレのクラスはお化け屋敷って言ってたんだけど」


「さあ、興味ない」

会話が続かない。

作業をしていても、全く会話がない。

蓮は器用で、さっさと文化祭の文字を書き上げてしまった。

「あとは飾り付けるだけだからあなたは部活に行っても良いよ」

「いや、風音だけにやらせるわけにはいかないし」

「必要ないっていってるのが分からない?」

ストレートに言われるのはキツい。

「何なの?今更、私に何かよう?私は話なんてない」

「オレは風音と話したい」

「何を話そうって言うの?」

「風音のこと、しりたい」

心に思ったことをすぐに伝えた。

「確かに前世のことがきっかけだ。今は風音蓮を知りたい」

蓮は大きなため息をついた。

「一週間、文化祭が終わるまでに私をその気にさせてみなさい、そうしたらあなたの望みを聞いてあげる」