赤い愉楽

「またあんたかよ…」


マスターの不機嫌な顔にも
動じない平野。





「今日は用があってここに来ました」


隙のない動きで平野は
店内に入る。


まだ準備中の
荒れた店内が平野の前に広がっている。




「用ってなんだ?迷惑なんだよ。
早く言ってとっとと帰ってくれ」



マスターは狭いカウンターに入ると
平野を無視するかのように

グラスを磨き始めた。



「クドーに伝えてもらえませんか?」