赤い愉楽

「エミ。奈落に飛び込め」


ワタヌキの言葉に一瞬ひるんだエミの顔。



「え?飛びこまないのか?
汚れた殺人者のくせに」


エミの顔が恐怖に代わる。


「父親を殺したくせに?」


下を向くエミ。
紙で顔が隠れて表情が分からない。



「暴力をふるい性的交渉を迫る父親を
背後から刺したんだったよね?」



笑うワタヌキの歯が
異様に白く見える。