赤い愉楽

「御苦労」



ワタヌキは短い言葉を吐くと
部屋に唯一存在する家具である


デスクチェアにドカッと座った。


僕はワタヌキの顔を見ようとするが
マスクとサングラスをしていて素顔がわからない。


「挨拶は抜きにして単刀直入に行こう。
エミを返してほしいのか?」




僕は黙って深くうなずく。