赤い愉楽

「なぜあの人の話ばかりするんだ!」


奥田は突然叫んだ。
沈黙が広がる車の中。


革張りのシートの擦れる音だけが聞こえる。



「ごめん…言いすぎた。


でもあなたは次の人生に踏み出すべきなんだ。
だから」



「いいのよ。気にしないで」


奥田にそう言ってにっこりと笑う怜奈。



「死んでしまった人の話ばかりする私は
確かに変なのかもね。


でも奥田さんも相当変よ」