「じゃあ、2人とも。これ、親御さんにサイン貰ってきて。」 「はい……え?」 差し出された紙を受け取ろうとする手が止まる。 2人?…1人じゃなくて2人!? 「どういうこと!?」 「あら、言われてなかったの。幸ちゃんもオーディション受けたのよ。」 ええ、初めて聞きましたけど! こちらを向く幸太郎くんは「どうかした?」なんて首を傾げてるけど! 「なん、で。」 「だって、お前のいない学校とか意味ねーし。俺なら余裕だって分かってたし。」 どんな理屈だ。 幸太郎くんの笑顔は輝いていた。