認めないっ!!

「涼壱ィィ!!」

私は涙を流し、感動で震えながら、涼壱の両手をガシッと掴んだ。当然涼壱はびびっている。

「私もそうなの!!ああ、まさか男だとは思わなかったけど、同じ悩みを抱えた仲間がいたなんて!!」

「なっ!?麻里亜もなのか!?」

私達は分かり合った。見れば、涼壱も涙ぐんでいる。私達はがっしりと手を取り合った。

それから私達は今までの苦労や悩みを延々と語り合って、最後には2人で肩を抱き合って馬鹿みたいに号泣した。

「私さ…ずっと友達が出来なかったんだ」

「やっぱり?俺もだよ」

そう、同性の友達は結局私達にとっては恋愛対象なのだ。異性はと言うと、仲良くすると勘違いされて男女の友情が成り立たない。

「私達、いい友達になれると思う」

「おう。これからよろしくな」

学園長はきっとわかっていたのかもしれない。気軽に悩みを打ち明けられる友達を私達が持っていなかった事。

きっとこれは学園長の親切なのだ。だったら私達は一緒に生活しながらお互いをサポートしなければ。

こうして私の同居人が決まった。

同居人、小久保涼壱。性別、男。