認めないっ!!

「マリ、寮の同居人が決まったよ」

新学期が始まる前に、私は学園長から報告を聞いた。

それまで同じ寮だった女の先輩が卒業したので、私の部屋は同居人を募集していたのだ。

「どんな人ですか?」

一緒に暮らすというのだから、私は可愛い女の子がいいなと期待を込めて、学園長に訊ねた。

「そうだなぁ…。性格も良いし魅力的だと思うよ」

「良かった」

「今日から部屋に来るみたいだよ」

「ええ、じゃあ早速歓迎してきます!!」

この時の私は本当に馬鹿だった。性別も聞かずに女の子だと思い込んで、魅力的と聞いて有頂天になっていた。

私は鼻歌を歌いながらご機嫌で寮に戻ったのだった。