認めないっ!!

「ところでさ、麻里亜はどうだったの?今日の5ヵ月記念」


げっ。訊かれるとは思ってなかった。なんて鋭い奴。


「うーん、………」

「あれ?訊いちゃマズかった?」

「実は、すっぽかされちゃったんだよね……うぅ」

「麻里亜…?」

「うぁーん!!涼壱の馬鹿野郎!!」


私はみるみる泣き出して、ふわふわのクッションに顔を埋めてふかふかのソファーに倒れ込んだ。

涼壱がわたわたしている気配を感じたけど、私は涙が止まらなくて顔を上げられなかった。

だけど涼壱が優しく頭を撫でてくれたから、少しだけ気分が落ち着いた。

湿ったクッションから顔を上げると、涼壱の整った顔が間近にあった。


「…こんないい奴ふるなんて、涼壱の元彼どうかしてるよ」

「そんな事言ってくれるの麻里亜だけだよ」

「そう?皆見る目ない」

「あーあ、麻里亜の彼女、勿体無い事したな」

「何で?」

「麻里亜だっていい奴だから」


嬉しかった。同じ悩みを抱える友達が、傍にいる事が、凄く嬉しい。

傷付いた時に傍で慰めてくれる友達がいる事が、こんなに心強いなんて、知らなかった。


「私…涼壱の役に立ちたい。初恋の相手、絶対見つけようね」

「あ、うん…」

「何?問題でもある?」

「えっと…」

「何だよはっきり言っちゃえよ」

「女の子だからさ…麻里亜の恋愛対象になるのかなぁなんて…」

「え!?や、やだな、べべべ別に狙ってなんかいないし!!」

「挙動不審すぎだろ!!」

「ふふ、冗談に決まってんじゃん」


私達は笑い合った。

涼壱と喋るのがとても楽しい。涼壱が傍にいてくれるから、彼女にふられてもそんなに寂しくなかった。

友達の力って凄いんだって、純粋に思った。