認めないっ!!

その後涼壱は女の子のお父様に連れられて、無事にお祖父様の別荘に辿り着いた。

後日涼壱はお祖父様と一緒に女の子の家を訪れたが、引っ越してしまった後で、それ以来会う事はなかったという。



「俺さ、どの子を見てもその初恋の女の子と比べちゃって、まともに恋なんか出来なくなってさ。それで今に至る訳」

涼壱が自嘲気味に笑った。

しかし私はある事実に興奮し、ニヤニヤを抑える事が出来なかった。

「ふふん、涼壱さぁ、ライラックの花言葉知ってる?」

「知らないけど…?」

「花言葉、『初恋』なんだよ。なんかロマンチック」

「へぇぇぇ…」

涼壱は感慨深いような、想いを馳せているような表情になった。

「素敵な初恋じゃん」

「…ありがと」

涼壱が照れくさそうに微笑んだ。私は涼壱が元気を取り戻した事が嬉しくなって、再び身を乗り出した。

「その初恋の女の子、探そうよ!!」

「ええ!?」

「その子となら、素敵な恋愛が出来ると思うの!!」

「う、うん、そうだな」

「勝てる…勝てるよ涼壱ぃ!!不甲斐ないチャラ男を見返してやれるんだわ!!」

涼壱がドン引きしているのもお構いなしに、私はめらめら燃えていたのだった。