認めないっ!!

さて、麻里亜に部屋を追い出された俺はどうしようか。買い物といっても１日中しているわけにもいかない。

俺にも恋人がいない事もないので、彼の所にでも遊びに行こうか。

でも最近冷たいんだよね。あんまり会ってくれないし。だけど暇だし、行くだけ行ってみよう。

彼も同じ学園の生徒である。寮には入っていないので、探すにはこの広大な学園内を歩き回らなければならない。

まあ時間もある事だし、いいんだけど。

そう思って捜索を開始した矢先に、遠くに彼らしい後ろ姿を発見したので、追う事にした。

彼は中庭の噴水の前のベンチに座った。声をかけようとしたが、彼が時計を気にしている事に気づいて、やめた。

何となく誰かを待っているような感じがしたので、様子を見るために木の陰に隠れた。



数分後、誰かの声がして彼が立ち上がった。軽く手をあげているが、こちらからはまだ誰が来たのか見えない。

彼の待ち人の姿を見た時、俺は思わず声が漏れそうになった。慌てて口を手で覆うと、俺はその場にへたり込んでしまった。

現れたのは、女だった。長い髪を垂らして、淡い色の短いスカートをはいた、女、だった。