【完】俺と妹。~偽りの兄妹~

その途端、母さんの顔に一筋の涙が伝った。

今まで、娘同然に育ててきたんだから、離縁なんてしたくない。


でも、娘の願いを叶えてやりたい……。


そんな母さんの想いが、ひしひしと伝わってくる。


オレも泣きそうになる。




「そう。
なら、区役所から書類貰ってくるから、サインしてちょうだいね。」



「うん。
家族じゃなくなっても、あたしにとっては、1人だけのお母さんだからね。
ごめんね……」