[奏太サイド]


紫音ちゃんが、いなくなってから、椿が言った。


「なぁ、お前、あの子のコト好きだろ」

な、何でそのコトを…!?

まぁ、いいや。椿、その辺のコト、考えないから。


「あぁ。」


「あれでいいのか?奏太は。」


オレもそうは思う。
だけどな…。


「あぁ。
紫音ちゃんが、幸せならそれでいいんだ。」


「へぇ。
珍しいヤツ。」


何がだよ?


ポツポツ…。


「あ、雨だ。
しょうがねぇ。
帰るか。」