[陽太サイド]



「おはよー☆
お兄ちゃんっっ!!」


いつもと何ら変わらない紫音の挨拶。


なのに。


今日のオレは、この紫音の挨拶、無邪気な笑顔に何でか全く分からないけど。



心臓が、ドキドキっといつも以上の音を立てていた。



何なんだ???


心臓が悪いわけでも何でもねーし……。


しかも、紫音が視界の中に入らなくなると。


このドキドキがなくなる。



一体何なんだよ??


「あぁ…。分かんねぇ……。」



ついついそう口にしてしまうと。



親友の樹が、不思議そうにオレの顔を覗き込んできた。