「新婦のご入場です。」



そう言う司会者の声で扉が開いた。



あたしは、お父さんと一緒に入場している。


もう少し先には、陽太くんの姿がある。


陽太くんのところまでくると、お父さんが小さく呟いた。



「幸せになれよ。紫音」



と。



あたしって、愛されていたんだな……。


そう思いながら、バージンロードを進んで行く……。