君の瞳にカンパイ

いつもの家庭科室。
…のはずなのに。


ゴージャスに飾りつけがしてあって、見違えるほど。


真ん中に用意された、一番大きなテーブルに、俺と二ノ宮さんは、向かい合わせに座った。


「まずは、自己紹介からお願いしますわ!秋山様、お願いします。」


佐原さんがテーブルの横に立って言った。


「えっ!?俺から?」


「もちろんですわ。こうゆう時は、殿方から。レディーファーストという言葉もありますが、こうゆう時、紳士に先に話しかけるべきですわ。」


俺は緊張しながら、二ノ宮さんの顔を見た。


…やっぱ可愛い。


「秋山、祥平です。1-Aの…出席番号1番です。」


こんな感じでいいのか?
ドキドキしていると、二ノ宮さんは口を開いた。


「…スリーサイズは?」


…はいっ!?
俺は耳を疑った。


確かに、二ノ宮さんの口の動きとともに、声がした。
二ノ宮さんの声なんだろう。


声も、やっぱり可愛い…じゃなくて!
なんでスリーサイズ!?


「いや…計った事がないので…」


「はー?自分のスリーサイズ知らなくてどうやって生きていくんだよ!」


ドン!と音がして、足がテーブルの上に乗った。
綺麗で白い足…でもなくて!


「あ、あの、女の子なのに、足をテーブルの上に乗せるのはどうかと…。」


「年下の癖に、私に指図する気?」


…こ、こわ~…。