君の瞳にカンパイ

「ですが、秋山様なら問題ないですわ!成績優秀、スポーツ万能、今は生徒会役員をしていて、生徒会長を目指しているとか!」


な、なんでそんな事まで知ってるんだ!


「佐原に知らない事なんてございませんのよ?」


佐原さんはふふふ、と笑う。
なんだか怖い笑いだった。


「容姿は…悪くは無いが、女顔なのが玉に傷だな。身長は170…一般的。筋肉は…そこそこだな。」


俺に近付いて、380度確認する矢野さん。
見ただけで身長とか分かっちゃうの!?


「決まりですわ!このチケットをお受け取り下さい!」


そう言って渡されたのは、手作りのチケット。


“君の瞳にカンパイ”と書かれている。


「こ、これは…?」


「お嬢様とのデートチケットです!場所は家庭科室ですわ。高級フレンチをご用意致します!!」


佐原さんは、二ノ宮華乃さんと僕の手を引いた。


「秋山様、ロマンティックな台詞で、お嬢様をトリコにして下さいまし。」


佐原さんはそう言ってウインクした。


ロマンティックな台詞って…“君の瞳にカンパイ”…とか?