君の瞳にカンパイ


「では、秋山祥平様。着いてきて下さる?」


「…えっ!何で俺の名前…。」


俺がそう言うと、佐原さんは笑った。


「全校生徒の顔と名前は、インプットされていますの。」


…インプットって、ロボットじゃないんだから。


「面白そうだから、俺も着いていっていいですか?」


と、カズは言う。
…この男は……。


“見ているだけなら”という事で、カズも着いてきた。


二人に着いて行き、着いた先は…屋上。


「お嬢様、連れて参りました。」


……お嬢様?


視界に映る、屋上のドア。
それが開くと、ひとりの女の子がそこに立っていた。


艶のある、黒髪のロングヘアー
綺麗な角度を描いた眉毛
パッチリな二重
黒目が大きな瞳
シュッと通った鼻筋
ピンク色の光沢ある唇
肌は白く、頬はピンク
細い体
シャンとした背筋



……なにもかもが、ツボだった。


「こちら、二ノ宮華乃お嬢様の交際相手の資格をいただけるのですわ!」


「えっ、あっ……えっ!?」


テンパる俺を、二ノ宮…華乃さんは微笑んで見た。