君の瞳にカンパイ


「そして、僕が同じく執行人の矢野だ。よろしく。」


背が高く、体格がガッチリしている彼は、学生服が似合っていない。


「執行人さん?実は、スタンプラリーの賞品が分からないままやってたんですけど、賞品ってなんですか?」


俺がそう言うと、佐原さんは笑った。


「賞品などございませんわ。」


…………はっ!?


俺は最大限に目蓋を開き、目が飛び出そうになっていた。


「“賞品”じゃなく、“資格”が与えられるんだよ。」


矢野さんは指で俺をさした。
…資格?なんの?


「資格をもらえるのは、ただ一人ですわ。どちらの殿方ですの?」


……殿方って…。


「コイツです。」


………カズ!?


「何言ってんだよ、カズ!二人して集めただろーが!」


「いや、ヒントを説いたの、お前だったろ?俺分からなかったもん。…それに、なんか怪しいし。」


…だから、擦り付けようってのか。
俺は肩を落とした。