君の瞳にカンパイ


紙には、ヒントが書かれていて、それを頼りに探していく。


スタンプは、全部で5つ。そんなに大した数じゃない。


「“小沢先生の担当する科目の教室”…?」


「音楽室だ!」


俺とカズは、音楽室に向かい、スタンプを探す。


「あ、あった。」


教卓の上にある、スタンプを押し、次のヒントに目を通す。


そうやって、無事…5つのスタンプを集めたけれど…


「これ、集めたらどうすんの?ポストとかに投函すんの?」


俺がカズに聞くと、カズは首を傾げた。


「それが、何も書いてねーんだよ。」


5つ目のスタンプの場所、理科室で二人、紙に目を通したが、何も書いていない。


「…教えてほしいか?」


「うん。…って、今の誰の声!?」


俺は辺りを見回したが、誰もいない。


「では、教えてさしあげますわ。」


妙な喋り方をする女の声。


しばらくすると、声の主が姿を現した。


「初めましてですわね。どうも、“君の瞳にカンパイ☆スタンプラリー”執行人の佐原と申しますわ。」


佐原という女の子は、おかっぱ頭で、気品のある顔をしていた。