君の瞳にカンパイ

「なんか、手伝おうか?」


「いらない!…って、言うつもりだったけど…。やっぱ、作り方教えてくれる?」


そう言うと、お袋は笑った。


お袋に教えてもらって、なんとか形になったお弁当を鞄に詰めて、学校に向かった。



「……遅い!」


校門で、腕を組んで待っていたのは、華乃だった。


「なんで、校門で待ってるの?」


「意味も無く待ってちゃ悪い?」


…睨まれた。


「昨日、アンタ早く帰ったでしょ。朝イチに顔見たいな~なんて思うのは、駄目なの?」


「…駄目じゃないです。」


口と態度は悪いけど、そういうとこ、可愛いよなぁ。
俺はニコニコして、華乃を見ていた。


「男の癖に、ニヤニヤして気持ち悪いわよ、祥平。」


…前言撤回。華乃は、俺の前をスタスタ歩いていた。