「…あの。」 「なに、言いたい事あるなら言いなさいよ。」 「…“華乃”って、呼んでいい?」 「アンタ、何調子にのってんの!?」 手がこちらに向かってきたので、思わず目を瞑った。 でも、いつまで経っても何の感触も無い。 目を開けると、手を引っ込めた華乃様が、また顔を赤くしていた。 「アンタなら、別にいいけど。」 華乃様…いや、華乃はそう言った。 俺は、笑った。 「なんかムカツク。」 そう言って、華乃はなんだか知らないが、怒ってその場を去った。