君の瞳にカンパイ

「触んなよ!気持ち悪い。」


俺は、右手でトウモロコシを掴み、左手でカズの手を振り払った。


「は〜あ。やっぱ男はつまんないや。」


カズがつまらなさそうに、肩を落としている。
自業自得だ。


「そういえば、今日は生徒会の方はいいのか?」


「うん、俺はただの雑用だから、始まりと終わったあとが大変なだけ。」


「そっか。……お。」


地面に落ちていたのか、一枚の紙をカズが手にしていた。


「な、な。ショウ。これやってみないか?」


「ん?なに?」


カズの持っている紙を手に取り、目を通した。


「“君の瞳にカンパイ☆スタンプラリー”?」


「そう!確か、先輩が言ってたんだよねぇ。男子だけが参加できる、謎のスタンプラリー。去年からの目玉なんだって。」


カズは、さっきゲームの賞品でもらったスティックのついたアメを舐めながら言った。


「ふーん?で、これ集めたら何が起こるの?」


「それは、なんだったかな〜。」


カズは首を傾げながら、アメを舐めつつ空を見る。


「きっと、イイコトだった気がする!やろーぜ、ショウ!!」


「んー…。まぁ、いいけど…」


俺はトウモロコシを綺麗に食べ終わり、近くのゴミ箱に捨てた。


きっと、賞品がすごいものなのかもしれない。