「あ――――――!!」
あの人の声がした。
とてつもなく大きな声で。
「祥平!お兄様には近付かないように言ったでしょ!」
華乃様はプンスカ怒っている。
「ぶぶ、華乃ってば必死になっちゃって、かーわいー。」
華一郎様は華乃様を茶化す。
「でも、何で近付かないほうがいいんですか?そんな必死にまでなって…」
「そんなのいいでしょ!私の勝手!」
…うわ、傲慢だ。
「教えてあげよっか?しょへーちゃん?」
華一郎様は、俺の頬を突いて言った。
「…実はね、仕組まれたってわけ。」
…仕組まれた?何が?
「しょーへーちゃんは、踊らされたってわけだね。」
話しの筋が見えない。
踊らされた?俺が?
「後は、華乃から聞いてよ、じゃね。」
華一郎様は、肝心な所だけ言わずに去って行った。


