君の瞳にカンパイ

「いい感じですわね、秋山様。」


うちのクラスにヒョコッと顔を出したのは、佐原さんだった。
隣のクラスらしい。


「なにがですか?」


「またまたー!お嬢様の事ですわ!」


佐原さんは笑って、俺の肩を叩いた。


「いい感じもなにも…お昼を一緒に食べてるだけなんですけど…」


「それが素晴らしい事なのですわ!お嬢様が殿方とご昼食をだなんて…。ああ!佐原は嬉しい限りでございます!」


顔をおおって、泣く真似をする佐原さん。
彼女は、華乃様を、本当に慕ってるんだなあ…。


「どこに行きますの?」


「ごめんなさい。生徒会の集まりがあるので。」


俺は佐原さんに礼をして教室を出た。


「…お前か、秋山祥平っていう奴は。」


「はい?」


廊下ですれ違った人が、俺の肩を掴んだ。


「あ、あの…」


す、すげーイケメン。
男の俺が見とれるほど。


周囲の女子は、彼を見てキャーキャー言っている。


「俺、華乃の兄貴の二ノ宮華一郎っていうんだけど、華乃がいつも世話になってるみたいだな。」


お、お兄様でしたか…。


「で?お前は華乃の事、どう思ってんの?」


ど、どうって…。