君の瞳にカンパイ

「はい、口開けて」


「へっ!?」


「『へっ!?』じゃないわよ!くーち、開けて!」


「は、はいっ!」


俺は口を開けた。
口に入れられたのは…卵焼き。


「…美味しい。」


「でしょー?華乃スペシャル卵焼き。」


「もう一個、下さい!」


「はあ?私の分なくなっちゃうじゃん!…まあ、いっか。はい。」


そう言って華乃様は、お弁当全部、俺に渡した。


「アンタのお弁当と、交換ね。」


「マジで?いいんですか?」


「祥平のお母さんの作ったお弁当、食べてみたいから。」


そう言って、華乃様は笑った。
俺は華乃様のお弁当と、お袋の作ったお弁当を交換した。


「…美味しい。祥平のお母さん、料理上手なんだ。」


「普通ですよ。」


そう言って、ガツガツと、華乃様のお弁当を平らげる。


「アンタ、早いわね。もっと味わって食べなさいよ。」


「いや、美味しかったから、箸が進んじゃって。」


「…そう。ありがと。」


なんだか、凄く華乃様がしおらしく見えた。