オバケの駐在所

小さい時から
ごく当たり前に存在を
認知していた
私にとって
オバケとかは
そう驚愕するほどの
事ではないが
これは違う。

まだまだ明るかった
街並みは辺り一面
夜の闇に包まれ、
更に住宅街に囲まれた
並木道は
見知らぬ山奥にでも
飛ばされたのか、
フクロウの声が
聞こえてきそうなほどの
森の中に抜粋されていた。

街灯の光だけが頼りの
薄暗い道の先は
どこまでも続いている。

思わず立ち方を忘れて
よろけながら見回す私。

ま、まずい……、
化かされている!

すると上空で
一陣の風が右から左へ
大きく森を
波たたせながら
強く吹き、
桜に囲まれてるとは言え
微かに流れ込んでくる風で
私の髪は乱れ
目を強くつぶってしまった。

……あ。