家の前に延びている
並木通りに
差し掛かると
その時には難なく足音を
振りきっていて
少し余裕の面もちで
桜の下を通り抜けていく。
そして1本、1本と
足を踏み進める。
最初は周りに生い茂る
桜のせいだと思った。
嫌に辺り一面が
薄暗い感じがして
冷気を帯びていて
遠くの音が
聞こえなくなったのも
あまり気にならない。
だって人目もあるし
家も目の前。
何故に不安な気持ちに
なる事があろうか。
……あと少し。
桜の合間から見える
アパートからは
まだほんの1週間ほどしか
思い入れがないが
それでも私には
とても落ち着ける
住処になっていた。
……帰ったら
薬を飲んで
コーヒーを入れて
部屋の催しでもしてよう。
せっかくの独り立ちなのに
オバケに
振り回されるなんて
たまらん。
切に願ったその時、
急に目の前に
黒い何かが
飛びかかってきた。
並木通りに
差し掛かると
その時には難なく足音を
振りきっていて
少し余裕の面もちで
桜の下を通り抜けていく。
そして1本、1本と
足を踏み進める。
最初は周りに生い茂る
桜のせいだと思った。
嫌に辺り一面が
薄暗い感じがして
冷気を帯びていて
遠くの音が
聞こえなくなったのも
あまり気にならない。
だって人目もあるし
家も目の前。
何故に不安な気持ちに
なる事があろうか。
……あと少し。
桜の合間から見える
アパートからは
まだほんの1週間ほどしか
思い入れがないが
それでも私には
とても落ち着ける
住処になっていた。
……帰ったら
薬を飲んで
コーヒーを入れて
部屋の催しでもしてよう。
せっかくの独り立ちなのに
オバケに
振り回されるなんて
たまらん。
切に願ったその時、
急に目の前に
黒い何かが
飛びかかってきた。

