振り向くと
薄桃色の花びらが
暖かな風にかき集められ
路肩をひしめき
そして川がせせらぐ様に
微かな音を立てていた。
そんな桜が舞い、
柔らかな空気が
頬を撫でるその中で
私はふと、感じた。
そこに何かがいる。
……足音?
そのままの姿勢で
後ずさりし
少し目を細めてみたが
姿、形は
はっきりとしない。
だが、いるのだ。
歩いてきている。
さっきまで
見えてたんだけどな……。
それにしても危険な香り。
なんで私なんだろう。
交番の方向に
行かなかったのを
後悔しながら
帰路の途を向き直し
走り出す。
目に見えるものばかりが
この世のすべてではない。
見えざるものも
確かにそこに存在し
息をするのもいれば
何かを喰らうのもいる。
私たちの論理なんて
枯れ枝ほどの
か細いもの。
……人間なんてきっと
小指の爪の先くらいしか
世の中の事
知らないんだろーな。
それにしても
オバケなんて反則でしょ!
……もうっ!
薄桃色の花びらが
暖かな風にかき集められ
路肩をひしめき
そして川がせせらぐ様に
微かな音を立てていた。
そんな桜が舞い、
柔らかな空気が
頬を撫でるその中で
私はふと、感じた。
そこに何かがいる。
……足音?
そのままの姿勢で
後ずさりし
少し目を細めてみたが
姿、形は
はっきりとしない。
だが、いるのだ。
歩いてきている。
さっきまで
見えてたんだけどな……。
それにしても危険な香り。
なんで私なんだろう。
交番の方向に
行かなかったのを
後悔しながら
帰路の途を向き直し
走り出す。
目に見えるものばかりが
この世のすべてではない。
見えざるものも
確かにそこに存在し
息をするのもいれば
何かを喰らうのもいる。
私たちの論理なんて
枯れ枝ほどの
か細いもの。
……人間なんてきっと
小指の爪の先くらいしか
世の中の事
知らないんだろーな。
それにしても
オバケなんて反則でしょ!
……もうっ!

