オバケの駐在所

用事を済ませ
ウィンドウショッピングも
一通り回った所で
家路に向かう事にした。

駅からバスで30分程
揺られた町の外れ。
と言っても人は十分に
住んでるし
不便な事もない。
緑が多い公園もあるし
スーパーや
役場も近くにある。
少し足をのばせば
河川もある
のんびりできる所。

……ただ、
いるんだよなーやっぱり。

窓から流れる景色を
目で追えば、
バスを乗り降りする客に
気を配れば、
ちらほらはらほら。

人ではない者達が。

私はあまりの出現ぶりに
少し苦笑いを
浮かべる。

小さい頃は
このオバケの存在意義に
苦悩していた。
何故そこにいるのか?
なんで他人には
見えないのか?
どうして人の形をして
普通に暮らしているのか?

結局のところ
自分のちっぽけさをもって
謎解きは固く結ばれたまま
ほどかれる事は
ないのだが。