さきほど駅前で買った
缶コーヒーを
カバンから取り出して、
サイドボードに置く。
向かいの道を
買い物袋を持った
女性が通った。
この近くには昔
何度も通ったスーパーがある。
バリアフリーも
へったくれもない
垢染みた所だが、
お客のためを思った
とても馴染みやすい
お店だった。
それに今夜もなつかしく
近くの米軍基地から
飛行機が飛んでいる。
覚えている。
懐かしいな。
捨てたはずの思い出が
ここにはまだ、
たくさん落ちていて、
思い出の欠片を拾うたびに
遠い空を見てるような
郷愁にかられる。
忘れられない思い出――。
だがそれを思い出す時、
俺は最後に
いつも決まって首を振った。
頭にも胸の奥にも
虫が這ってるような
気分になるからだ。
うう……。
俺は一生
このままなのだろうか?
これじゃあ病気だ。
醜悪な鬼が傷口をなぞり、
何度も何度も執拗に
かさぶたを剥がしてくる。
なんで俺は
この街に来たんだ……?
「何か嫌なものでも
見えましたか?」
小百合と談笑していた警官は
様子をおかしく思ったのか
俺の方に
体を向き直した。
缶コーヒーを
カバンから取り出して、
サイドボードに置く。
向かいの道を
買い物袋を持った
女性が通った。
この近くには昔
何度も通ったスーパーがある。
バリアフリーも
へったくれもない
垢染みた所だが、
お客のためを思った
とても馴染みやすい
お店だった。
それに今夜もなつかしく
近くの米軍基地から
飛行機が飛んでいる。
覚えている。
懐かしいな。
捨てたはずの思い出が
ここにはまだ、
たくさん落ちていて、
思い出の欠片を拾うたびに
遠い空を見てるような
郷愁にかられる。
忘れられない思い出――。
だがそれを思い出す時、
俺は最後に
いつも決まって首を振った。
頭にも胸の奥にも
虫が這ってるような
気分になるからだ。
うう……。
俺は一生
このままなのだろうか?
これじゃあ病気だ。
醜悪な鬼が傷口をなぞり、
何度も何度も執拗に
かさぶたを剥がしてくる。
なんで俺は
この街に来たんだ……?
「何か嫌なものでも
見えましたか?」
小百合と談笑していた警官は
様子をおかしく思ったのか
俺の方に
体を向き直した。

