姉の瞳からは、
私の前で
あまり見せたことのない
大粒の涙がこぼれていた。
それは人の誰もが
たずさえている
いじましい気持ちが、
良心との葛藤の末に、
涙という形になって
あらわれてるように見えた。
本当は私だって
なつみと一緒にいたい――
そう物語っているようだった。
「……お姉ちゃんが死んで
悲しかった。
わたしはほんとうに
悲しかったんだよ……。
会いたかったんだよぉ」
「うん……私もなつみの
心配をしてた。
私たちみたいに
オバケがわかる人なんて
周りにいないし、
なつみは甘えん坊だったから。
泣いてるんじゃないかなって
思ってたよ……」
鼻まで赤くなっている
お姉ちゃんは
懸命に笑ってくれていた。
「せっかく……
会えたのに……」
これだけ私のことを
思ってくれてる姉を
こんな所に1人
置いていくなんて……。
これをわがままだなんて
言わないでほしい。
だって当たり前のことじゃん。
嫌だよ。
別れたくない。
一緒に……いたいんだよ……。
「ハジメさん、
もうなつみを連れて行って。
この子を……よろしくね」
そう言われたハジメさんが
こっちへ近寄ってくる。
そしてだだをこねて
座りこんだ子供を
連れて帰る母親のように
手を差し伸べてきた。
「みゆきちゃんもおいで」
しかしどういうことか
それはハジメさんが
出し抜けに言ったことだ。
私の前で
あまり見せたことのない
大粒の涙がこぼれていた。
それは人の誰もが
たずさえている
いじましい気持ちが、
良心との葛藤の末に、
涙という形になって
あらわれてるように見えた。
本当は私だって
なつみと一緒にいたい――
そう物語っているようだった。
「……お姉ちゃんが死んで
悲しかった。
わたしはほんとうに
悲しかったんだよ……。
会いたかったんだよぉ」
「うん……私もなつみの
心配をしてた。
私たちみたいに
オバケがわかる人なんて
周りにいないし、
なつみは甘えん坊だったから。
泣いてるんじゃないかなって
思ってたよ……」
鼻まで赤くなっている
お姉ちゃんは
懸命に笑ってくれていた。
「せっかく……
会えたのに……」
これだけ私のことを
思ってくれてる姉を
こんな所に1人
置いていくなんて……。
これをわがままだなんて
言わないでほしい。
だって当たり前のことじゃん。
嫌だよ。
別れたくない。
一緒に……いたいんだよ……。
「ハジメさん、
もうなつみを連れて行って。
この子を……よろしくね」
そう言われたハジメさんが
こっちへ近寄ってくる。
そしてだだをこねて
座りこんだ子供を
連れて帰る母親のように
手を差し伸べてきた。
「みゆきちゃんもおいで」
しかしどういうことか
それはハジメさんが
出し抜けに言ったことだ。

