オバケの駐在所

「で、で、ででっ、でも……」

絶対にあんな奴に
叩かれたら生き延びられない。

黒くて金髪で
悪魔のような表情。
何十メートルも
上から見下ろされる
筋骨隆々な鬼のような身体。

無茶だよ
ハジメさんってば……!

だがどれだけ私が
訴えかけても
ハジメさんの強張った表情が
動くことはなかった。

時刻はどれくらいだろうか。
外は雲の合間が
だいぶ深い藍色に
なってきた。

ダイコクは立ち上がり
のそりと足を動かす。

にやけた口が
頬骨まで裂けている。

私はもう白目を向きそうだ。

「良い。良いぞ。
だがお前は
受け止めてはならぬ。
棒立ちでくらうがよい。
それでないとつまらんな」

「……ああ、
さすがは破壊神だ。
いいよそれで」

……よくない!
私はよくないぞ!?

「よし、それでこそ
神が認める男よ。
お前達サクヤ姫が
神力を使わないよう
しっかりと抑えつけておけよ!
鳳凰もだ!
不死鳥の力を使われたら
興を削ぐからな!
さぁ、この舟は
上座も下座もないぞ!
最後の余興じゃ!
者共盛り上がれぃ!」