オバケの駐在所

「……ダイコク様。
人間がそこまで
気に食わないというのなら、
心に溜まっている
全てのうっぷんを
手に持つその木槌に込めて
この子をおもいきり
叩きなさい」

……へ?

「え?私?」

突然血迷ったことを言う
ハジメさん。

間違いなくこの子って代名詞は
私を指して言っていた。

「ただし俺をその間に
立たせること。
俺が衝撃を受け止めないと
この子の体は八つ裂きにされて
元も子もない。
つまり俺が耐えられるか
どうかって事です。
あなたはただ忌み嫌うものを
そこの柱のように
壊せばいいだけ。
それがあなたが言ってた
分相応以上のことでしょう?」

「ちょっ、ちょっと待って!
なぁに考えてんの!?
無理だよ。むりっ!むりっ!」

私はささやく声を
最大限強くして耳語を打った。

ハジメさんの
突拍子のない言葉には、
ダイコクまでも
眉間にシワを寄せて
いぶかしむ目つきに
なっている。

サクヤ姫にいたっては
初めて親を見た時の
ヒナ鳥のような顔だ。

「大丈夫だって。
俺がついてる」

「むぅりぃだっちゅーのっ!
だってあんな石の柱も
粉々になって……
それになんで?
なんでなんでなんで
叩かれなきゃいけないの?」

「聞けっ!
あれは打ち出の小槌だ。
神の創造物だ。
願えば富も名声も
欲しいものは思いのままに
叶えることができる。
それは命でもだ!
俺がクッションになるから
お前は生き返りたいと
強く願えばいい!」