河川敷にまたがる鉄橋ほどの
手すりの欄干に
ダイコクは大きく腰を据えた。
そしてぼんやりと
うっそうとした頭を掻く。
「さっきも
その娘をかばっていたな。
今日ここに来た理由は
それか?」
「ああ。あなたには
知られたくなくてね。
人間が紛れ込んでるなんて
わかったら
食べられてしまうかも
しれないし、
特にお酒を呑まれると
狂暴になられるから」
「言っておくが
迷惑な奴はとうのお前だ。
娘を助けるためか
なんなのか知らんが、
この揺れのせいで
気の弱い魚どもは
慌てふためいているし、
神々はうろたえて
しまっている。
よもや舟が沈むとは思わんが、
まずこの騒動を
どう始末してくれる。
それとも混乱に乗じて
逃げ出そうってハラか?」
舟の中は空の上での
思いもよらぬ横揺れに、
みんな跳んだりはねたり
騒然としてきた。
無理もない。
舟体のぐらつきは
遊園地のコーヒーカップよりも
気持ち悪いもん。
……おぇ。
「むやみに動揺させてしまった
ことは申し訳なかった。
でも俺は
なんもしちゃいないよ。
そろそろ待ちくたびれる
ころだとは思っていたけど、
あいつがすねて
勝手に暴れてるんだ」
「ならば舟をたゆたらせるのは
止めさせよ。不愉快だ」
ダイコクのいかめしげな声は
空気までをも震わせる。
ハジメさんはのんきに
タバコをふかしているが、
私としてはダイコクの
あまりの存在感に
座ったままでも後ろへ
ひっくり返りそうなほどだ。
手すりの欄干に
ダイコクは大きく腰を据えた。
そしてぼんやりと
うっそうとした頭を掻く。
「さっきも
その娘をかばっていたな。
今日ここに来た理由は
それか?」
「ああ。あなたには
知られたくなくてね。
人間が紛れ込んでるなんて
わかったら
食べられてしまうかも
しれないし、
特にお酒を呑まれると
狂暴になられるから」
「言っておくが
迷惑な奴はとうのお前だ。
娘を助けるためか
なんなのか知らんが、
この揺れのせいで
気の弱い魚どもは
慌てふためいているし、
神々はうろたえて
しまっている。
よもや舟が沈むとは思わんが、
まずこの騒動を
どう始末してくれる。
それとも混乱に乗じて
逃げ出そうってハラか?」
舟の中は空の上での
思いもよらぬ横揺れに、
みんな跳んだりはねたり
騒然としてきた。
無理もない。
舟体のぐらつきは
遊園地のコーヒーカップよりも
気持ち悪いもん。
……おぇ。
「むやみに動揺させてしまった
ことは申し訳なかった。
でも俺は
なんもしちゃいないよ。
そろそろ待ちくたびれる
ころだとは思っていたけど、
あいつがすねて
勝手に暴れてるんだ」
「ならば舟をたゆたらせるのは
止めさせよ。不愉快だ」
ダイコクのいかめしげな声は
空気までをも震わせる。
ハジメさんはのんきに
タバコをふかしているが、
私としてはダイコクの
あまりの存在感に
座ったままでも後ろへ
ひっくり返りそうなほどだ。

