私も横にいる
ねじりハチマキをした魚に
いきなり強引に
頭を抑えつけられた。
そりゃ私は生まれたての
神っていうていだから、
こんな所で働いているなんて
ダイコクに知れたら
まずいってのはわかるけど、
今は打掛の着物も
脱いでいるし、
もちろん私だって
みんなみたいに
頭を下げようとした
矢先だったから
ちょっとむかついた。
ダイコクは小豆色の
ひょうたんをぐいっと
口に入れて、
その光景がさも当たり前と
いったかのように
平伏した面々を見渡す。
私はその様子を
這いつくばりながら
うかがうように物見していた。
ああ……水が出しっぱなし。
鍋は火をかけっぱなしじゃん。
と、緊張感に
欠けていたと思う。
ちなみに私のプライドは
ミトコンドリア並みながらも
一応はしたたかに
存在している。
だがこの場合は特に
悔しいという感情はない。
それは皆そうしているからと、
横見てならえの
日本人の国柄の性格ってな
わけじゃなく、
敬意をはらう相手が
格別にその存在を
逸しているからである。
するとその格別の神は
手前にいた幼顔の
かわいらしい女中のあごを、
バカでかい木槌で浮かした。
ちょうどその時隣にいた
半魚人の船頭と
何かを話している。
「え?し、しかし……」
「いや……け、けんど」
イワシさんは
困っているように見える。
ねじりハチマキをした魚に
いきなり強引に
頭を抑えつけられた。
そりゃ私は生まれたての
神っていうていだから、
こんな所で働いているなんて
ダイコクに知れたら
まずいってのはわかるけど、
今は打掛の着物も
脱いでいるし、
もちろん私だって
みんなみたいに
頭を下げようとした
矢先だったから
ちょっとむかついた。
ダイコクは小豆色の
ひょうたんをぐいっと
口に入れて、
その光景がさも当たり前と
いったかのように
平伏した面々を見渡す。
私はその様子を
這いつくばりながら
うかがうように物見していた。
ああ……水が出しっぱなし。
鍋は火をかけっぱなしじゃん。
と、緊張感に
欠けていたと思う。
ちなみに私のプライドは
ミトコンドリア並みながらも
一応はしたたかに
存在している。
だがこの場合は特に
悔しいという感情はない。
それは皆そうしているからと、
横見てならえの
日本人の国柄の性格ってな
わけじゃなく、
敬意をはらう相手が
格別にその存在を
逸しているからである。
するとその格別の神は
手前にいた幼顔の
かわいらしい女中のあごを、
バカでかい木槌で浮かした。
ちょうどその時隣にいた
半魚人の船頭と
何かを話している。
「え?し、しかし……」
「いや……け、けんど」
イワシさんは
困っているように見える。

