イワシさんの言う
常識の枠をこえた話に、
私は口を半開きにして
しまっていた。
「って聞くところによると
そうらしいけんどな。
あっしも見たことはにゃあ」
イワシさんはまあるく
塗りつぶしたような瞳を
人間のそれと同じように
細めながら笑う。
ふと見上げると
てっぺんのほうの
小さな小さな部屋の光が、
そこに佇む楼閣のでかさ、
そして存在のでかさを
教えてくれていた。
……まあ、なんだ。
いたとしても
いなかったとしても、
世の中は人間が思ってる以上に
奇妙キテレツってことだけは
間違いない。
そう断言できるものなら
ここにはたくさんあるから。
そもそも私だって
人が嘘じゃないかって
疑ってもいいほどの
不思議な物語を
話すことくらいできる。
せっかくならば
天地を騒がせるその龍の背に
乗ってみたいものよ。うむ。
それにしてもハジメさんたら
けっこう危なげな人生を
送ってたんだ。
「そうだ、イワシさん」
私は懐に入れていた
梅の枝を手にとって、
イワシさんの前で
見せびらかす感じで
振ってみせた。
何故かって、命あるうちに
私も人生航路の航跡を
残したいと思ってね。
「梅のつぼみ?
いい匂いじゃけえ」
フフン、
それを聞いて安心した。
常識の枠をこえた話に、
私は口を半開きにして
しまっていた。
「って聞くところによると
そうらしいけんどな。
あっしも見たことはにゃあ」
イワシさんはまあるく
塗りつぶしたような瞳を
人間のそれと同じように
細めながら笑う。
ふと見上げると
てっぺんのほうの
小さな小さな部屋の光が、
そこに佇む楼閣のでかさ、
そして存在のでかさを
教えてくれていた。
……まあ、なんだ。
いたとしても
いなかったとしても、
世の中は人間が思ってる以上に
奇妙キテレツってことだけは
間違いない。
そう断言できるものなら
ここにはたくさんあるから。
そもそも私だって
人が嘘じゃないかって
疑ってもいいほどの
不思議な物語を
話すことくらいできる。
せっかくならば
天地を騒がせるその龍の背に
乗ってみたいものよ。うむ。
それにしてもハジメさんたら
けっこう危なげな人生を
送ってたんだ。
「そうだ、イワシさん」
私は懐に入れていた
梅の枝を手にとって、
イワシさんの前で
見せびらかす感じで
振ってみせた。
何故かって、命あるうちに
私も人生航路の航跡を
残したいと思ってね。
「梅のつぼみ?
いい匂いじゃけえ」
フフン、
それを聞いて安心した。

