オバケの駐在所

「ああ。体と魂は共にあるけど
くっついちゃいない。
何かきっかけを作らなきゃ」

「きっかけって?
それにオバケになった人間が
生き返るなんて
夢みたいなことできるの?」

「まだ考えてないけど
……たぶんな」

……確証はないか。
そりゃそうだよね。

私の体は寒いと思えたり
心なしか歩き疲れていたり、
昼間よりは
五感が戻りつつある。

だがそれも
すずめの涙ほどで、
漠然と押し寄せる
死の感覚だけは拭い去れない。
いずれは朽ちる体というのが
神経の髄の至る所から
ひしひしと警告してくる。

私はその感覚を
振り払うように首を振った。

「それにしてもユエって子は
あの顔で私を
救おうとしてくれてたとはね」

「……あの顔な」

賛同するようなしないような
微妙な顔を作ったハジメさん。

「だけどなんでハジメさんは
そのメールが神様からだって
わかったの?
ゆかりがある人だなんて
言ってたけど……」

「わかるよ。
だってメールのその相手は
もう死……いや、メルアドも
知らなかったからな」

……し?し……何?
『死んだ人から
メールがきたから』とか?

昔の友達とか。
もしくは家族、恋人。
大人であれば
あるいは1人くらいは
思う人がいるかもしれないが。

そこんところをすべからく
聞こうとした時、
私たちはちょうど
舟の後ろ側まで歩いてきた。