もちろんこれは
社会科見学でもなければ
博物館に遊びにきたわけでも
なんでもない。
ここは神様である御霊が
羽を広げるための宝舟。
生態系ピラミッドの
頂点に立つ人間を、
食べられる存在が
いるとすれば、
この舟に乗っている
神様ほど相応しいものはない。
なんて……わかろうとしても
理解はできるわけない。
半魚人は休めてた手を
また動かし始めた。
まるで食器か何かを
洗うように……。
桶の底にあたる鈍い音が
吐き気を誘う。
私はハジメさんを押しのけて
甲板に飛び出した。
「私は……あんな風に
置かれていたの?
あんな……
人を肉の塊みたいに」
「ああ。そうだ。
すまん……。
本来なら見せるべきでは
なかったかもしれない。
だけどこれは
大昔からあることで、
俺なんかの力じゃみんなを
どうすることもできない。
知っておいてほしかったんだ。
いま俺が神に逆らってるのは
完璧に私情だ」
……それは自分が
偽善者だって
言いたいのだろうか?
「こんな場合でしか
人を助けない俺は、
もはや偽善者ですらないな」
社会科見学でもなければ
博物館に遊びにきたわけでも
なんでもない。
ここは神様である御霊が
羽を広げるための宝舟。
生態系ピラミッドの
頂点に立つ人間を、
食べられる存在が
いるとすれば、
この舟に乗っている
神様ほど相応しいものはない。
なんて……わかろうとしても
理解はできるわけない。
半魚人は休めてた手を
また動かし始めた。
まるで食器か何かを
洗うように……。
桶の底にあたる鈍い音が
吐き気を誘う。
私はハジメさんを押しのけて
甲板に飛び出した。
「私は……あんな風に
置かれていたの?
あんな……
人を肉の塊みたいに」
「ああ。そうだ。
すまん……。
本来なら見せるべきでは
なかったかもしれない。
だけどこれは
大昔からあることで、
俺なんかの力じゃみんなを
どうすることもできない。
知っておいてほしかったんだ。
いま俺が神に逆らってるのは
完璧に私情だ」
……それは自分が
偽善者だって
言いたいのだろうか?
「こんな場合でしか
人を助けない俺は、
もはや偽善者ですらないな」

