オバケの駐在所

ナンパか?
いけしゃあしゃあと……。

だけど何かちと様子が
違うようだ。

「ああ、ははは。
花遊と間違えて
いるんだろう?
無理もない。
わたしも間違えた。
墓の下から覗いてたら、
手紙を取りにくるのも
置いていくのも
あの子だったから
てっきり……」

と、新三郎さん。
傍目から見ると
なんだか言い訳がましくて
見苦しい。

でもそんな彼をよそに
2人は見つめあった。
そこはかとなく感じる
お邪魔な空気。

なんとなく私はその間に
割って入りたかった。

「あなた、もしかして
お隣で暮らしてた……」

「やっぱりか。
どうりであの宿場町に
見覚えがあると思ったんだ。
隣に住んでた親子か」

「私も謎が解けました。
花遊がいくつになっても
男を作らないし、
そのくせずっと
若いままだから。
ツバメの所に
通っていたんですね?」

「……ツバメ言うな。
それにしても懐かしいな。
あの頃はよくあんたらの
歯音を聞いていたもんだ」

「あれはわざと
聞かせていたんですのに。
……でもまぁ昔の話です。
今じゃツバメには
近寄れやしませんから」

なんの話だろう。

何か核心にせまる会話だ。

だけどそれから私たちは
たわいない
おしゃべりをしつつ、
2人の門出を祝福して
夜にまたみんなで
墓参りをする
約束をしただけで、
それ以上その会話には
触れなかった。

差し当たった話は
また次回か……。