『これから帰ります』と、
まず義母にメールを送った。
電車に乗ったら
これからのことをひたすら
シミュレーションした。
意志に反し
体を揺らしていると、
覚えのある景色が
やがて窓の向こうに
見えてきた
何度も考え直して
思索したことだ。
だけどもう悩みたくない。
目の前の扉が開き
駅の階段を踏みしめてのぼる。
車内とはかけ離れた
気温差だったが、
俺には寒さを感じる余裕も
闇夜にうっすら
降り積もっていた雪に
目を向ける余裕もなかった。
そして駅の構内、
時間通りにそいつは
人の流れにのって
やってきた。
鼓動が強く
脈打つのがわかる。
誰かと楽しそうに
電話をしながら、
出口のほうに向かって
俺の横を気づかずに
通過するそいつを
遠巻きにして追う。
俺は身を少し猫背にしながら
見失わないくらいの距離で
そのまま一緒に改札を出た。
……いつものように
仕事を終えて
いつもの時間に
ローカル線に乗って
家に帰れば大丈夫。
何も臆することはない。
乗り換えの電車が来るまで
30分弱はある。
それまでにことを済ませば
いいだけのこと。
……できる。
今日で終わらせる。
まず義母にメールを送った。
電車に乗ったら
これからのことをひたすら
シミュレーションした。
意志に反し
体を揺らしていると、
覚えのある景色が
やがて窓の向こうに
見えてきた
何度も考え直して
思索したことだ。
だけどもう悩みたくない。
目の前の扉が開き
駅の階段を踏みしめてのぼる。
車内とはかけ離れた
気温差だったが、
俺には寒さを感じる余裕も
闇夜にうっすら
降り積もっていた雪に
目を向ける余裕もなかった。
そして駅の構内、
時間通りにそいつは
人の流れにのって
やってきた。
鼓動が強く
脈打つのがわかる。
誰かと楽しそうに
電話をしながら、
出口のほうに向かって
俺の横を気づかずに
通過するそいつを
遠巻きにして追う。
俺は身を少し猫背にしながら
見失わないくらいの距離で
そのまま一緒に改札を出た。
……いつものように
仕事を終えて
いつもの時間に
ローカル線に乗って
家に帰れば大丈夫。
何も臆することはない。
乗り換えの電車が来るまで
30分弱はある。
それまでにことを済ませば
いいだけのこと。
……できる。
今日で終わらせる。

