俺はそれを眺めながら
岩に寄りかかって生えている
松の枝に寝そべった。
……にしてもキャルロットめ。
ウサギとカメを引き合いに
出してくるとは
小うるさいやつ。
黙ってれば
綺麗なやつなんだが。
今日は十五夜、満月の夜だ。
綺麗な形をしていて
いつもより表面の影が
はっきりと
浮かび上がっていた。
それはそれはとてもまんまるで
美しいもの。
俺は額の角を
手のように操り、
邪魔な松の枝をよけては
またそのおもむきに
心を奪われる。
キャルロットとはおおいに
違うな。
……俺から言わせてみれば
月とすっぽんだぜ。
「東ぃ〜白ミント〜、
西ぃ〜黒ライム〜」
天狗がその顔を
いっそう赤くして
ついに名前を呼んだ。
軍配のウチワには
スズカケの葉を使っていた。
モミジに似ていて
ひとまわり大きな葉っぱだ。
そして先ほどよりも
一枚岩のまわりには
様々なオバケ達が
集まっていた。
木霊に浮遊霊、
山に住む邪魅、つくも神。
ざっと見て100ほどいる。
しかしその中に駐在所で会った
あの人間の女の子も、
友達らしき別の女の子を連れて
何故か普通に
そこに交じっていた。
岩に寄りかかって生えている
松の枝に寝そべった。
……にしてもキャルロットめ。
ウサギとカメを引き合いに
出してくるとは
小うるさいやつ。
黙ってれば
綺麗なやつなんだが。
今日は十五夜、満月の夜だ。
綺麗な形をしていて
いつもより表面の影が
はっきりと
浮かび上がっていた。
それはそれはとてもまんまるで
美しいもの。
俺は額の角を
手のように操り、
邪魔な松の枝をよけては
またそのおもむきに
心を奪われる。
キャルロットとはおおいに
違うな。
……俺から言わせてみれば
月とすっぽんだぜ。
「東ぃ〜白ミント〜、
西ぃ〜黒ライム〜」
天狗がその顔を
いっそう赤くして
ついに名前を呼んだ。
軍配のウチワには
スズカケの葉を使っていた。
モミジに似ていて
ひとまわり大きな葉っぱだ。
そして先ほどよりも
一枚岩のまわりには
様々なオバケ達が
集まっていた。
木霊に浮遊霊、
山に住む邪魅、つくも神。
ざっと見て100ほどいる。
しかしその中に駐在所で会った
あの人間の女の子も、
友達らしき別の女の子を連れて
何故か普通に
そこに交じっていた。

