すると入り口のほうで2回、
コンッコンッとわざとらしい
咳払い。
「こんばんわ。おじさん、
誰と話してるんですか?」
車のヘッドライトが往来する
外の夜の闇に紛れて
立っていたのは、
メガネをかけた女の子だった。
服は何枚か着こんでる
みたいなのに、
何故かスカートは短くて
スラッと伸びてる足は
とても冷たそう。
……寒い。
見てるだけで…震えるぞ。
「ああ、タマちゃん。
ちょっとこのウサギが
訪ねてきたもんでさ。」
と、ハジメは
俺の体を持ち上げて
その子に見せる。
「きゃー、かわいい!
なんでこんな所に?
民家に飼われてたのが
迷い込んじゃったん
ですかね?」
女の子は少し興奮ぎみに
ハジメの腕から俺を取り上げ、
頭から背中にかけて
繕うように撫でてきた。
それはただの興味本位か、
母性愛が目を覚ましたか。
だけどあいにく俺は
こーゆー甘ったれたのが
好きじゃない。
なんの曇りもなさそうな
純粋そうな子だが、
俺の正体がわかったら
簡単にその手を離しそうだ。
知らないだろう?
この世の中には影に潜む
闇があり、闇はたとえ
光を濁したとしても
その命をまっとうしていく。
人間達が家で
暖かいご飯を食べてる時、
俺らは墓場を
漁ったりしてるんだぜ?
それも仲間内で
ケンカしたりしてだ。
そんな健気に生きる闇の一面を
潔癖な人間は
理解できないだろうな。
月だっておぼろがかっても
夜空に映えるとゆーのに。
コンッコンッとわざとらしい
咳払い。
「こんばんわ。おじさん、
誰と話してるんですか?」
車のヘッドライトが往来する
外の夜の闇に紛れて
立っていたのは、
メガネをかけた女の子だった。
服は何枚か着こんでる
みたいなのに、
何故かスカートは短くて
スラッと伸びてる足は
とても冷たそう。
……寒い。
見てるだけで…震えるぞ。
「ああ、タマちゃん。
ちょっとこのウサギが
訪ねてきたもんでさ。」
と、ハジメは
俺の体を持ち上げて
その子に見せる。
「きゃー、かわいい!
なんでこんな所に?
民家に飼われてたのが
迷い込んじゃったん
ですかね?」
女の子は少し興奮ぎみに
ハジメの腕から俺を取り上げ、
頭から背中にかけて
繕うように撫でてきた。
それはただの興味本位か、
母性愛が目を覚ましたか。
だけどあいにく俺は
こーゆー甘ったれたのが
好きじゃない。
なんの曇りもなさそうな
純粋そうな子だが、
俺の正体がわかったら
簡単にその手を離しそうだ。
知らないだろう?
この世の中には影に潜む
闇があり、闇はたとえ
光を濁したとしても
その命をまっとうしていく。
人間達が家で
暖かいご飯を食べてる時、
俺らは墓場を
漁ったりしてるんだぜ?
それも仲間内で
ケンカしたりしてだ。
そんな健気に生きる闇の一面を
潔癖な人間は
理解できないだろうな。
月だっておぼろがかっても
夜空に映えるとゆーのに。

