おまわりさんは
さほど驚いていない
ようだけど、
私はとにかく怖くて
爪どころか
指ごと噛むように
手を口に当てた。
暴力はふるわないで。
嫌い、恐い……。
私の体中には
痛みとともに紫色のアザが
だんだんと
浮かび上がってきて
疼く傷口を思い出させる。
それ以上関わりたくない
この人達から
逃げるために
落ちた水泳バッグを
手に取ると
一目散にその場から
駆け出した。
罵倒の浴びせあいや
激しい取っ組み合い。
私は走りながら思い出す。
それはついこの前の事。
夜中に大きな物音で
起こされた私は
寝床から出て
口論している
両親の寝室のドアから
中を覗き見た。
ママ達はここん所
いつもケンカしてる。
日々エスカレート
してる感じ。
私は頭より高い位置にある
ドアノブを抑えながら
こっそりその扉を閉じると
階段を上り
また自分の部屋へと戻る。
そしてお気に入りの
熊のぬいぐるみを
小脇に抱えて
ベッドの下に潜り込んだ。
ケンカの原因は
パパが半年前に
会社をクビになって
お金の工面が
大変だかららしい。
ローンだとか保険とか
よくわからない事だけど。
さほど驚いていない
ようだけど、
私はとにかく怖くて
爪どころか
指ごと噛むように
手を口に当てた。
暴力はふるわないで。
嫌い、恐い……。
私の体中には
痛みとともに紫色のアザが
だんだんと
浮かび上がってきて
疼く傷口を思い出させる。
それ以上関わりたくない
この人達から
逃げるために
落ちた水泳バッグを
手に取ると
一目散にその場から
駆け出した。
罵倒の浴びせあいや
激しい取っ組み合い。
私は走りながら思い出す。
それはついこの前の事。
夜中に大きな物音で
起こされた私は
寝床から出て
口論している
両親の寝室のドアから
中を覗き見た。
ママ達はここん所
いつもケンカしてる。
日々エスカレート
してる感じ。
私は頭より高い位置にある
ドアノブを抑えながら
こっそりその扉を閉じると
階段を上り
また自分の部屋へと戻る。
そしてお気に入りの
熊のぬいぐるみを
小脇に抱えて
ベッドの下に潜り込んだ。
ケンカの原因は
パパが半年前に
会社をクビになって
お金の工面が
大変だかららしい。
ローンだとか保険とか
よくわからない事だけど。

