……は?
しかしよく見ると
何故か尾に沿って
流れ出てきたのは
血ではなく
数枚の葉っぱであった。
狐はその事に
気づいていなく
狭い体育館裏を
疾風のごとく動きまわり
私に再び牙を剥いてきた。
だがまたもや寸前の所で
誰かが私の右後ろから
すごい勢いで
腕を伸ばしてきて
その牙を受け止める。
それは丁度
私の首の高さであった。
「危なかった。」
聞こえてきたのは
男の人の声で
今度は左後ろから
出してきた手錠を
狐の2つの尻尾に
素早くかける。
「なつみに
手を出すなよ、オサキ狐。
いやお前は金三叉って
呼ばれてるんだっけ。
……でも1本ちぎれちゃ
その名は墓石に
刻めないなぁ。」
強ばらせていた表情を
柔らかく解かせていく
聞き慣れた声が
真後ろから聞こえてくる。
その声を追って
振り返れば
そこには思った通り
彼がいた。
「うあ、固い!固い!
お前人間ではないな?
……む、
お前は知ってるぞ。
ずっと俺を捜してたな。
と言う事はこの術は
四国から来た
松山狸の仕業か。」
「ご明察だよ。
やっとお前を
見つけられた。
悪巧みもここまでだな。」
およそ狐とは
思えないほどの
鋭い牙であったが
それはハジメさんの
皮膚1枚ほどで
止まったようで
赤い血も数滴しか
出ていなかった。
しかしよく見ると
何故か尾に沿って
流れ出てきたのは
血ではなく
数枚の葉っぱであった。
狐はその事に
気づいていなく
狭い体育館裏を
疾風のごとく動きまわり
私に再び牙を剥いてきた。
だがまたもや寸前の所で
誰かが私の右後ろから
すごい勢いで
腕を伸ばしてきて
その牙を受け止める。
それは丁度
私の首の高さであった。
「危なかった。」
聞こえてきたのは
男の人の声で
今度は左後ろから
出してきた手錠を
狐の2つの尻尾に
素早くかける。
「なつみに
手を出すなよ、オサキ狐。
いやお前は金三叉って
呼ばれてるんだっけ。
……でも1本ちぎれちゃ
その名は墓石に
刻めないなぁ。」
強ばらせていた表情を
柔らかく解かせていく
聞き慣れた声が
真後ろから聞こえてくる。
その声を追って
振り返れば
そこには思った通り
彼がいた。
「うあ、固い!固い!
お前人間ではないな?
……む、
お前は知ってるぞ。
ずっと俺を捜してたな。
と言う事はこの術は
四国から来た
松山狸の仕業か。」
「ご明察だよ。
やっとお前を
見つけられた。
悪巧みもここまでだな。」
およそ狐とは
思えないほどの
鋭い牙であったが
それはハジメさんの
皮膚1枚ほどで
止まったようで
赤い血も数滴しか
出ていなかった。

