……靴があるって事は
やっぱり帰ってないんだ。
体育館裏に行くには
校舎から体育館へ続く
渡り廊下を横切り、
運動部が使う
実演棟と呼ばれる
建物の間を抜けていけば
裏側に出られる。
いつの間にか雲行きが
怪しくなってきた
南西の空には
大きい積乱雲が
立ち込めていて、
それを尻目に
小人の不吉な言葉の真意を
確かめるべく、
玄関を出て恐る恐るだが
体育館裏に歩きだす。
オバケの言うことだが
私はやはり
気になってしまうのだ。
…が、そこへ向かう時、
コンクリートに
ただ蛇口をつけただけの
途中にある水洗い場で
肩を抑えて
うずくまっている
修二君の姿が見えた。
遠くからでも彼と
わかったのは肩の辺りに
何かが黒くうごめいて
いるのが見えたから。
「ちょっと!大丈夫!?」
苦しそうにしてる彼に
心配して近づいてみると
思わず私は目玉を
ひんむきそうになり
立ち止まった。
彼に憑いていた
呪いの正体が
わかったんだ。
くしゃみにより
研ぎ澄まされ
瞳に映し出された魔の姿。
それは邪気をまとった
台所でお馴染みの
奴だった。
……そう、
それはまさに私の嫌いな
ゴキブリである。
やっぱり帰ってないんだ。
体育館裏に行くには
校舎から体育館へ続く
渡り廊下を横切り、
運動部が使う
実演棟と呼ばれる
建物の間を抜けていけば
裏側に出られる。
いつの間にか雲行きが
怪しくなってきた
南西の空には
大きい積乱雲が
立ち込めていて、
それを尻目に
小人の不吉な言葉の真意を
確かめるべく、
玄関を出て恐る恐るだが
体育館裏に歩きだす。
オバケの言うことだが
私はやはり
気になってしまうのだ。
…が、そこへ向かう時、
コンクリートに
ただ蛇口をつけただけの
途中にある水洗い場で
肩を抑えて
うずくまっている
修二君の姿が見えた。
遠くからでも彼と
わかったのは肩の辺りに
何かが黒くうごめいて
いるのが見えたから。
「ちょっと!大丈夫!?」
苦しそうにしてる彼に
心配して近づいてみると
思わず私は目玉を
ひんむきそうになり
立ち止まった。
彼に憑いていた
呪いの正体が
わかったんだ。
くしゃみにより
研ぎ澄まされ
瞳に映し出された魔の姿。
それは邪気をまとった
台所でお馴染みの
奴だった。
……そう、
それはまさに私の嫌いな
ゴキブリである。

