オバケの駐在所

まるで見当違いな事を
言っているが
なかなか目ざとい
指摘をしてくる彼。
確かにここにいる理由は
待っているからなのだ。

その時小さく、
私はくしゃみをした。

それはただの
生理的な現象なんだけど
目を閉じ口を抑えたまま
固まってしまう。

……あ〜、
花粉の時期も終わったと
思ったけど。

私はくしゃみが嫌いだ。
いつもよりはっきりと
鮮明に霊感が
研ぎ澄まされてしまうから。
くしゃみをすると
魂が飛び出るって話も
あながち嘘ではないと思う。

閉じていた瞼を
ゆっくりと開くと
広がる視界は先ほどと違い、
教室の中で
かよわくうごめく何かが
たくさんいた。

埃のように地味な色で
隅で固まってるのもいるが
子供のような形で
イスの下を走り回ったり
布のようにして
宙に舞っているのもいる。
透けてるのもいれば
触れそうなものまで様々。