「呪い!?」
目つきの悪い彼は
その目を一層細くして
馬鹿にしたように
聞いてきた。
「うん、
あんたの肩あたりかな?
私には見えるの。」
一夜明けた
太陽の光が
のどかな平日の朝、
高校の授業の休み時間に
同じクラスの
志野ちゃんに
ワケを話して
修二君を
呼び寄せてもらった。
お兄さんの晃君も
彼女に連れられて
ほどなくここへ
来ることだろう。
「嘘くせぇ……。」
「ほんと。」
まぁ志野ちゃんも
笑っていたけど……。
「それでね、呪いには
動物の骨とかが
効くらしいの。
だからほら、
買ってきちゃった!」
今朝私が通学する前に
駅前のケンタッキーで
買ってきた
フライドチキン。
そのLLサイズの
バケツのカップを
片手で抱えて見せる私。
なんて親切なんだろう。
「ふーん。
インチキ臭い話だけど。
……で、
なんでお前が
食ってるの?」
部屋中にピリ辛チキンの
香ばしい匂いを
漂わせながら
私は3本目のチキンを
手に持つ。
3時限目の終わりの
ちょうど小腹が空く時間。

